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人生漂流

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Ken Ringの地震予言の中身

3月14日のブログでKen Ring氏が3月20日に再び大地震が起こると予言しているという記事を出して以来、私のブログへのアクセスが急増していることに気がつきました。それまでは50~60人の方がアクセスしていたのがこの3日間、2倍から3倍に増えています。これはまた大地震が来るのではないかという不安からだと思うのですが、私がブログに書いたことで無用な不安と混乱が生じるのを避けるため、Ring予言のからくりを紹介します。

Ring氏は2月22日のクライストチャーチ地震を予言していたということでにわかに彼の名前が有名になりましたが、3月16日のニュース番組”Campbell Live”に登場した科学者 David Winter 氏と Mark Quingley 氏は痛烈に"Ring理論"を批判しました。

Winter氏によるとRing氏は2月の28日間のうち実に18日間も地震が起こる日を予言していたのです。そして3月は14日間に地震が起こる可能性があると言っています。これでは「下手な鉄砲数打ちゃあたる」でとても予言的中といえるものではありません。またWinter氏は月の周期と実際に起こった余震の相関図を示し、地震は月の周期とは全く同期していないというデータを示しました。

一方、カンタベリー大学のQuingley氏は月が地球に接近して月の引力の影響が少々増えてもとてもプレートの移動を起こすことはできないと説明しています。そして彼は2月22日のクライストチャーチ地震(マグニチュード6.3)は昨年9月4日に起こった地震(マグニチュード7.1)の余震に過ぎないのであって、どこでも見られる余震と同じで特に異常なことではないと言っています。これが大ニュースになったのはこの余震がクライストチャーチ中心部の直近で起こって、多くの建物が倒壊し、多くの人が犠牲になったためです。

Ring氏の予言が的中したというのは本人がそう言って、それに乗せられた人が騒ぎ出しただけだと思います。日本であのような大地震が起こらなかったら彼の言うことをまともに聞く人はそんなにはいなかったでしょう。
(2011/3/17)

参考
Campbell Live 動画(3月16日放映)

http://www.3news.co.nz/Ken-Rings-quake-theories--how-scientific-are-they/tabid/367/articleID/202629/Default.aspx

David Winterの批判
http://sciblogs.co.nz/the-atavism/2011/02/28/the-very-error-of-the-moon-man/

Mark Quingleyの批判
http://drquigs.com/index.php?option=com_frontpage&Itemid=1

3月20日に何が起こったか?「続き」をクリックしてください。



3月20日に実際に起こったこと

私は3月19日夜にクライストチャーチを発って、20日朝に関西空港に着きました。帰る直前に何人かの人と話したら、皆Ken Ringの地震予言のことを知っていました。万一を考えて20日は数千人がクライストチャーチを離れたようです。そこまで行かなくてもガソリン、食料、水を買っておいた人は多くいます。

NZのニュースをチェックしたら、3月20日午後9時47分にクライストチャーチでマグニチュード5.1の地震が起こりました。2月22日の地震(マグニチュード6.3)以来、もっとも強い余震です。特に被害はなかったようです。

これについてKen Ringの予言が的中したという人もいるようですが、彼は20日昼前に巨大地震が襲うと予言していましたから、それは外れたと言えます。彼のHPでは20日を過ぎても何も言ってません。大方の人は特に大騒ぎするほどのものは起こらなかったと胸をなで下ろしているでしょう。でも、揺れているときは不安で恐怖心が走ったのではないでしょうか。
(2011/3/20 日本で)
by tochimembow | 2011-03-17 19:41 | 大地震
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片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず(芭蕉)


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