人生漂流

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キーウィ それぞれの生活事情

キーウィ(Kiwi ニュージーランド人)がどのような暮らしをして、どのような考えを持っているかは相当な数の人に聞き、相当調べないとわかりませんが、これまでに知り得た範囲のことを断片的に書きます。間違った情報もあると思いますので、適宜訂正していきます。

・人生で大切なもの キーウィに人生で大切なものは何かと聞くと、男性の多くは「家族、スポーツ、ビール」と答え、女性は「家族、友人、スポーツ」と答えるそうだ(日本ニュージーランド学会編「ニュージーランド入門」)。家族が真っ先に上がるのはわかる。初対面のキーウィに私が聞かれるのは「どこから来たのか、いつ来たのか、いつまでこの国にいるのか」ということで、それを聞いた後でかならずと言っていいほど聞かれるのが「家族と一緒に住んでいるのか?」である。「一人で住んでいる」と答えると実に複雑な表情(まずいことを聞いてしまった)をする。「妻は働いているので一緒に来れなかったが、休暇を取って年末に来ることになっている」と付け加えると、一様に安心した顔を見せる。それほど家族を重視しているということであろう。しかし一方で1/3の人が離婚するというデータもあり矛盾するようにみえる。アメリカでも離婚経験の夫婦が家族第一と言う人が多いから、家族を大事にする人は離婚しないというわけではないのだろう。男女ともスポーツを挙げているのは面白い。アウトドア・スポーツに生き甲斐を感じているような人は多い。これほど多種多様なスポーツに人々が参加している国を私は知らない。バンジージャンプはNZが発祥の地である。自転車や椅子に乗ったまま飛び降りるバンジーもある。「ビールが大切」はジョークだろうが。

・仕事第一か、生活第一か? キーウィの生活信条は一生懸命働いて、地位や高い収入を得るより、生活をのんびり楽しむことにあるようだ。午後5時になると仕事をやめて帰るか、遊びに行く人が多い。私の経験ではこの点でカナダも似ている。日本はかつてがむしゃら仕事人間の大国であったが、バブル崩壊以後挫折した。のんびり型に切り替えることもできず、いまだに方向を見いだせないでいる。

・キーウィはフレンドリーか? アメリカ人のように初対面でも10年来の友人であるかのようにオーバーに親交の情を示す人は少ない。道ですれ違うときこちらが黙っていると知らぬそぶりで通り過ぎる人は結構いて、日本人のように一見シャイにも見える。しかしこちらが相手の目を見て、ちょっと会釈すると、ほとんどの人が言葉で挨拶してくる。そこから打ち解けて話をすることも多い。道を尋ねたりするとほとんどの人が親切に教えてくれる。

・人材流出 NZの平均国民所得は日本の約70%と低い(米ドルで換算したとき)。平均年収は250万円くらいか。技術や資格を持っている人はオーストラリアの方が高収入なので、優秀な技術者がオーストラリアなどに国外流出し、国にとって大きな頭痛のタネとなっている。そのためか技術者や資格のある外国人が移住しようとすると永住権を取りやすい。

・NZは世界一の福祉国家だった 年収が40,000~60,000ドル(日本円で280~400万円)あると収入の3分の1が所得税で引かれる。しかしそれ以外に年金積立・健康保険料はない。だから給料から天引されるパーセントは日本とあまり変わらない。老齢年金、医療費、失業保険は保障されている。病院に行っても医療費は支払わなくていい(歯科、高度医療は別だと思う)。失業保険は勤労時の65%が支給され、10年間もらい続けることもあったが今は厳しくなった。失業保険だけで暮らしている人は多い。老齢年金は65~72.5%が支給される。15歳までの義務教育は無料である。葬式費用も自治体から出るという。
 車の死亡事故で加害者が賠償する義務はない。国から4万ドルの死亡保障が出る。これでは事故死したらとても遺族を養えないと思ったら自分で自分に死亡保険をかけるしかない。かつてNZは世界一の福祉国家と言われたが、財政悪化でその内容は次第に低下してきた。それでもセーフティ・ネットは日本よりはるかに高いのではないだろうか。消費税は昨年9月までは12.5%だったのが、10月から15%に値上げされた。それを含めても食料、日用品の物価は日本より安い(現在の為替レートで計算すると)。

・産業 製造業はほとんど酪農・農業生産物の加工、羊毛関係である。農産物の半分は輸出している。機械工業は少ない。電気製品は輸入品が多い。美しい風景と短い移動時間をアピールして最近映画のロケ誘致に力を入れている。

・車 自動車産業はもちろんなく、車はすべて輸入である。日本車が占める率は日本より高い。毎年約10万台の中古車が日本から輸入されている(最盛時は20万台)。「横浜トヨタ」などというステッカーを貼った車が走り回っている。走行距離20万キロ、30万キロでも乗っているので、日本車の耐久性を証明しているようなものだ。スバルの車がやたら多いので、中古車屋さんに「なぜか?」と聞いたが、「この国に合っているんでしょうかね」という答だった。アウトドアが盛んなこととこの国で行われる世界ラリー選手権大会(WRC)にスバルのインプレッサが出場し、常に優勝候補だったことから知名度が高いのであろう(昨年から出場をやめたが)。韓国車は増加傾向にある。アメリカ車はフォードが多い。Holdenという車が走っているが、これはGMのオーストラリア子会社で作った車。

・観光立国 430万の人口の国に年間240万人が観光で外国から訪れ、観光収入はGDPの13%を占める(Wikipedia)。だから観光は税収の点でも雇用の点でも重要な産業である。日本人観光客は年間14万人で、豪、英、米に次いで4番目であるが、日本人は金を落とすのでいいお得意様である。捕鯨問題でNZがオーストラリアよりやや弱腰になってきたのは、日本人がNZの印象を悪くしてもらいたくないという気持ちがあるのかもしれない。

・ニュージーランド特産品 私がこれまで見た限りでお土産になりそうなNZ特産品はマヌカ・ハニー(食品には限らない)、メリノ・ウール・セーターなど毛製品(ポッサムとの混紡はいい)、ヒスイの装身具、ワイン。

・皮膚ガンが多い国 NZは南極に近いため上空にオゾンホールがあり、紫外線は日本の7倍強い。そのため皮膚ガンになる人が多い。それにもかかわらず、戸外で帽子をかぶっている人は1割くらいしかいない。よっぽど強力な日焼け止めを塗っているのだろうか?私は紫外線で目が痛くなることが多い。

・禁煙国宣言
 公共施設、レストラン、バー、ホテルのロビーで喫煙は認められていない。現在、タバコは1箱1,000円以上するらしい。NZは2025年に国中を全面禁煙にする方針を決めている。愛煙家の住めない国となる。

その他 
・クライストチャーチにいる外国人
 クライストチャーチには約1,500人の日本人が居住し、日本人会(カンタベリー日本人会として)には500名(200世帯)ほどが加入している。働き盛りの日本人でNZに永住しようとする人は少なく、若い人で永住権を持っている日本人はワーキング・ホリデーでNZに来てキーウィと結婚した女性が多い。NZでリタイア人生を送る人は多いようだが、日本の年金が減少傾向のため難しくなりつつある。韓国人会には5,000名、中国人会にはおそらく2万人の会員がいる。実数はその何倍かいるだろう。韓国人、中国人は家族ぐるみで移住する人が多い。韓国には高校・大学入学をめぐって激烈な受験戦争があり、それを嫌って移住してくる人も多い。NZ政府と中国政府は中国人のNZ移住を積極的に推進するという取り決めをしているのでNZに住む中国人はうなぎ登りに増えるであろう。
(20111/1/12) 
(福祉制度について誤りがあるというご指摘がありましたので、一部訂正しました。コメントありがとうございました。 2011/1/13)
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by tochimembow | 2011-01-12 05:45 | 暮らしの風景
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定年退職後、リフレッシュのためニュージーランドを半年間漂流しているうちクライストチャーチ大地震に遭遇。日本に戻ったら、またしても働くことに。 片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず(芭蕉)


by tochimembow
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