一難去ってまた一難
地震4日後(2月26日)
北島旅行を続けるほうがいいというご忠告を何人かの方にいただきましたが、家のことも気になるのでいったんはクライストチャーチに戻ることにしました。
予定どおり今夜の便で帰るべくレンタカーを返してウエリントン空港で飛行機を待っていたら、携帯に大家さんから連絡が来ました。私が借りている家の水道管が破裂して、水が全く出なくなったそうです。昨日までは50%くらい回復していたらしいのですが、多分地震でひびが入っていて水圧で管が割れたのでしょう。当面の水としてペットボトル4本に水を入れて玄関に置いておくが、あちこちで水道管が破裂して何が混じっているかわからないから、かならず沸騰させたあとで使ってくださいとの注意を受けました。また下水に泥が溜まっているので市はトイレの水は流さないように全市民に呼びかけているそうです。水道の部品を扱う会社がダウンタウンにあって、ダウンタウンが壊滅状態なので、いつ直せるかわからないと絶望的な連絡でした。もらい水で歯を磨いたり、顔を洗うことくらいはできるでしょうが、シャワーは浴びられない、頭は洗えない、トイレに汚物は溜まるばかりと想像するとゾッとします。
がっくりしてクライストチャーチ空港に置いてあった車で夜8時頃帰りましたが、信号は全部点くよう回復しているし、道路沿いの家を見てもいつもと変わりませんでした。ただ大きく違うのは道路の両脇に砂が溜まっていることです。市の東に行くほど砂が多くなるので、液状化現象は東部(震源地は南東部)で強かったことを示唆しています。町は死んだように静かで、ウエリントンの喧噪と対照的でした。家に戻るとひっそりしていて生活者がいる雰囲気がありません。床の泥は私が旅行中に大家さんがどけておいてくれましたが、水できれいに拭き取れないので、ざらざらしています。隣に住む若いカップルも同じ水道管から水の供給をうけていますが、水が出ないのでどこか住むところを変えているようで不在です。
水が使えないというのはかなりの不自由であることを改めて実感しました。「改めて」というのは数年前に宮崎に台風13号が来て浄水場がやられ、2,3日給水がストップしたときの経験があるからです。あのときは暑い盛りに風呂に入れず、難儀しました。しかしそのときは給水車が来て水の配給があったのですが、今回は1軒だけの水道管の破裂なので、そんなものは来ません。しかも日本ではちょっと車を走らせればスーパー銭湯のようなものがあって入浴できますが、それもNZではありません。
そこで急遽インターネットでダニーデン Dunedin のモーテルを予約して、月曜からそこへ旅行に行くことにしました。ダニーデンはクライストチャーチから南へ5時間くらいのところにある伝統的な町で、NZでもっとも古いオタゴ大学やペンギンやアルバトロス(アホウドリ)が棲むオタゴ半島が近くにあります。NZ最後の旅はダニーデンにしようとは考えていました。
当初の予定を1週間繰り上げただけで、本来ならうきうきしていくはずだったのですが、避難者生活のようで心が弾みません。リタイア人生だからこそこんなことをしていられますが、仕事がある人はとてもこんな漫遊旅行のようなことはしておれず大変でしょう。「漂流」などとお気楽なことを言ってきましたが、実際にそういう状態になると正直疲れます。
(2011/2/26)
北島旅行を続けるほうがいいというご忠告を何人かの方にいただきましたが、家のことも気になるのでいったんはクライストチャーチに戻ることにしました。
予定どおり今夜の便で帰るべくレンタカーを返してウエリントン空港で飛行機を待っていたら、携帯に大家さんから連絡が来ました。私が借りている家の水道管が破裂して、水が全く出なくなったそうです。昨日までは50%くらい回復していたらしいのですが、多分地震でひびが入っていて水圧で管が割れたのでしょう。当面の水としてペットボトル4本に水を入れて玄関に置いておくが、あちこちで水道管が破裂して何が混じっているかわからないから、かならず沸騰させたあとで使ってくださいとの注意を受けました。また下水に泥が溜まっているので市はトイレの水は流さないように全市民に呼びかけているそうです。水道の部品を扱う会社がダウンタウンにあって、ダウンタウンが壊滅状態なので、いつ直せるかわからないと絶望的な連絡でした。もらい水で歯を磨いたり、顔を洗うことくらいはできるでしょうが、シャワーは浴びられない、頭は洗えない、トイレに汚物は溜まるばかりと想像するとゾッとします。
がっくりしてクライストチャーチ空港に置いてあった車で夜8時頃帰りましたが、信号は全部点くよう回復しているし、道路沿いの家を見てもいつもと変わりませんでした。ただ大きく違うのは道路の両脇に砂が溜まっていることです。市の東に行くほど砂が多くなるので、液状化現象は東部(震源地は南東部)で強かったことを示唆しています。町は死んだように静かで、ウエリントンの喧噪と対照的でした。家に戻るとひっそりしていて生活者がいる雰囲気がありません。床の泥は私が旅行中に大家さんがどけておいてくれましたが、水できれいに拭き取れないので、ざらざらしています。隣に住む若いカップルも同じ水道管から水の供給をうけていますが、水が出ないのでどこか住むところを変えているようで不在です。
水が使えないというのはかなりの不自由であることを改めて実感しました。「改めて」というのは数年前に宮崎に台風13号が来て浄水場がやられ、2,3日給水がストップしたときの経験があるからです。あのときは暑い盛りに風呂に入れず、難儀しました。しかしそのときは給水車が来て水の配給があったのですが、今回は1軒だけの水道管の破裂なので、そんなものは来ません。しかも日本ではちょっと車を走らせればスーパー銭湯のようなものがあって入浴できますが、それもNZではありません。
そこで急遽インターネットでダニーデン Dunedin のモーテルを予約して、月曜からそこへ旅行に行くことにしました。ダニーデンはクライストチャーチから南へ5時間くらいのところにある伝統的な町で、NZでもっとも古いオタゴ大学やペンギンやアルバトロス(アホウドリ)が棲むオタゴ半島が近くにあります。NZ最後の旅はダニーデンにしようとは考えていました。
当初の予定を1週間繰り上げただけで、本来ならうきうきしていくはずだったのですが、避難者生活のようで心が弾みません。リタイア人生だからこそこんなことをしていられますが、仕事がある人はとてもこんな漫遊旅行のようなことはしておれず大変でしょう。「漂流」などとお気楽なことを言ってきましたが、実際にそういう状態になると正直疲れます。
(2011/2/26)
by tochimembow
| 2011-02-26 19:39
| 大地震