人生漂流

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忘れ去られた世界を走る Forgotten World Highway

タウポ湖近くのトゥランギに2泊してマウント・タラナキ Mt. Taranaki (Mt. Egmont)に移動の日です。今朝までいたモーテルは部屋はきれい、庭がきれい、オーナーは愛想がよくて親切、朝新聞は入れてくれる、無線LANもランドリーもただで、しかも料金は普通とすべてがよかったので、鍵を返しに行ったときおかみさんに”This is the best motel that I have ever stayed in New Zealand”(このモーテルは僕がこれまでニュージーランドで泊まったモーテルの中で最高です)と言ったら、大喜びしてご主人を呼び出し「この方がうちはニュージーランドで一番ラブリーなモーテルと言ってくださったのよ」(日本語にすればこういう口調か)と言って二人から握手攻めでした(ラブリーとは言ってないんだけど・・)。トゥランギに泊まることがあればここをお薦めします。Creel Lodgeというところです。
URL http://www.creel.co.nz

モーテルを出てタウポ湖を見に行きました。これはNZで最大の湖で琵琶湖よりわずかに小さい面積を持っています。湖畔から見ても大きいので全体がどのくらいかは見当がつきません。
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そこからいったんタウマルヌイ Taumarunui というところに北上し、国道43号線に入りました。そのあたりで富士山そっくりの山が見えました。マウント・ナウルホエと思われます。
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高台からはタウポ湖が見えます。
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モーテルのオーナーに行き方を教わったとき43号線はForgotten World Highway(日本語にすれば“忘れら去れた世界のハイウエイ”)という名前だと言われていました。たしかに43号に入るところに「Forgotten World Hwy この先50キロはガソリン・スタンドなし」という標識があります。どういう意味かなと思いながら走っていたのですが、日本の山間部を縫う道路のようなものです。日本と違うのはカーブ・ミラーがないことです。

(余談 カーブミラーについて) アメリカもニュージーランドもオーストラリアも曲がりくねった道にカーブ・ミラーを置きません。昔、アメリカ人の友人が日本に来てカーブ・ミラーが各所にあるのを見て、こう言いました。「アメリカにこういう鏡をつけたらたちまち若者に石を投げつけられて割られてしまう。誰も割らないのは驚きだ」。カーブミラーは強化ガラスやステンレス、アクリルなどでできていますが、外国ではいたずらでたちまちぼこぼこにされてしまうでしょう。それがカーブミラーを置かない理由と思います。

最初は牧歌的な風景が展開していましたが、そのうち狭い山道となり舗装がなくなりました。カーブが多く、砂利で滑らないようにひっきりなしにハンドルを切らなければなりません。「これって国道だよね?」。20キロ以上は砂利道が続きます。そしたらトンネルが見えてきました。
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幅は2メートル半くらいしかなく当然一台しか車が通れず、大型トラックはとても通れそうもありません。ただ岩を掘削しただけで、コンクリートで固めてあるわけでもなく、もちろん照明はありません。ライトをつけて入っても暗いのでおそるおそる走り抜けました。それもそのはずサングラスをかけていたからです。「ウ~ン、まさしく忘れ去られた世界だな」と思いました。そして再びのどかな丘陵地帯の風景となりました。
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ようやく舗装道路に戻りましたが、今度は牛が何頭も道路にのさばっています。「国道に牛を放置するなんてどういう農家だ」と思いながら走っていると前方を走る車が見えてきました。ちょっとした坂を登って下りにさしかかったところ道路上に10頭ほどの犬が群がっているのを見て慌ててブレーキを踏みました。「道路に牛がいたり、犬が何頭もいたりどういう世界じゃ」と思ったら、先ほど前を走っていた車が反対車線に止まっています。「ん??」と思い、徐行したらその車から太ったおばさんが降りてきて「あらまぁ、どうしましょう」(聞こえたわけではありませんが)とおろおろしています。何とその車の前に羊が横たわってヒクヒクしています。そして牧童が駆け寄ってきました。この国に来て始めてみた羊の交通事故でした。それにしてもなぜ反対車線で羊をはねたんだろうという疑念がわきました。おそらく走行車線に羊がいるのを見て、それを避けようと反対車線に行ったら羊も同じ方向に逃げようとしてぶつかったのではないかと想像しました。このようにいろいろ非日常的なことに出くわして“忘れ去られた世界”とはうまい文学的表現だと納得しました。しかしハイウエイという名前はあまりに僭越です。ハイウエイではなく林道と言うべきです。このようなことがあってこの道路は私にとって“忘れられない道路 ”Unforgettable Road" となりました。

マウント・タラナキの麓のストラットフォード Stratford に着いたときは山に雲がかかっていました。タラナキも富士山によく似ており、トム・クルーズと渡辺謙が出演した「ラスト・サムライ」はタラナキを富士山に見立ててここで撮影が行われたのですが、残念ながらその姿を拝むことができませんでした。。
(2011/2/25)
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by tochimembow | 2011-03-05 07:35 | 国立公園とその周辺
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定年退職後、リフレッシュのためニュージーランドを半年間漂流しているうちクライストチャーチ大地震に遭遇。日本に戻ったら、またしても働くことに。 片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず(芭蕉)


by tochimembow
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