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人生漂流

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山道

急な山道を苦しい思いで登っていると、よく漱石の草枕の冒頭部分が頭に浮かぶ。
 山路を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。

山を登っているときは何かを考えている。グループ山行であってもあえぎあえぎ登るときは会話は途切れ、だれも寡黙になる。そういうとき、煩わしい人間関係を外から眺めるようにいろいろと人生について考えたりする。漱石が熊本から小天温泉まで歩きながら冒頭の一節を考えたように、思うは俗世間と自分の関係である。

山道というのは自然の中を人が歩くたびにつけた踏み跡で、道自体が自然に溶け込んでいる。誰もいない山道を歩くのが好きだ。山が自分だけに語りかけてくるような気がする。天候が急変して、道を見失ったり、獣や蛇が出てくるかもしれないという不安はあるが。

デジカメを使うようになって撮った好きな山道の写真を。

尾瀬ヶ原
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霧立越(宮崎と熊本の県境) 源氏に追われた平家の落人がここを通って五家荘方面に逃げていったと言われる。西南戦争のとき西郷軍はここを伝って敗走した。
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高千穂峰 おなじみ坂本龍馬とおりょうが霧島に新婚旅行にきたとき、ここに登った。溶岩がごろごろして歩きにくく、わらじではとても登れそうな山ではない。頂上には逆鉾の剣がある。龍馬は「こんなものは偽物だ」と言って、引っこ抜いたと「竜馬がゆく」には書かれている。
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国東半島・天念寺岩峰 修験道の一つで高くはないがナイフの刃のようなところを歩く。崖から崖に石橋が渡してあるが、幅は50センチほどしかなく、とても怖い。
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丸岡山(霧島) 神秘的な大幡池から夷守岳に向かう途中に丸岡山がある。
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(2011.12.17)
by tochimembow | 2011-12-18 00:08 | モノローグ
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片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず(芭蕉)


by tochimembow
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