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人生漂流

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ベトナム紀行 3.フエの帝廟・寺院を巡る

11月29日(火)
昨日、天国の洞窟をガイドしてくれたニャットさんが迎えに来ました。今日はフエの帝廟・寺院巡りですが、参加者はまた私一人でした。フエに来てから日本人を見かけません。8月にコロラドに行ったときも、日本人は我々だけで、一体日本人はどこに行っているのでしょう。海外に出かける人が少なくなっているのだろうか?

フオン川渡航
市の真ん中を流れるフオン川をドラゴンボートで渡りました。
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大きな川ですが、橋が二つしかなく、川の北と南を行き来するには橋でかなり渋滞します。しかしこのボートは観光用で、日常の渡し船ではありません。ボートの中でお土産を並べているおばさんがいて、しつこくスカーフや絵などを買えと迫ってきました。いくら断ってもベトナム語で同じものを何度も買えと離れません。こんなときは一人だけのツアーは困ります。目の肥えた日本人はとても買わないようなものばかりですが、あまりにしつこいので、一番安い農村風景を描いた水彩画を2枚買いました(2枚で約1,000円)。昨日のツアー中にこういう笠(ノンラーという)をかぶったベトナム人と牛を何度も見かけたけど、車が走行中で写真を撮れなかったからまあいいか。
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ティエンムー寺
川を渡ったところに車が待っていて、そこから郊外にあるティエンムー寺へ行きました。
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この寺は1601年に建てられた禅寺で、八角形で7層の塔が中心となっています。塔の各階には仏像がありますが、中に入ることはできません。天女が建てたという伝説があり、天女の寺という異名もあります。この寺の住職が1963年、南ベトナム政府の仏教弾圧に抗議して、サイゴンのアメリカ大使館前でガソリンをかぶって、火をつけ、焼身自殺したことは有名です。そのときお祈りをしながら、身じろぎもせずに死んでいく姿の動画は世界に衝撃を与え、反米・反南ベトナムの機運を高めるきっかけとなりました。心臓は燃えず、その心臓はハノイに保存されているそうです。そのとき住職がサイゴンまで乗っていったオースチンが陳列されています。

グエン朝(阮朝)王宮
次にフオン川の近くにある世界文化遺産・グエン朝(阮朝)王宮に行きました。ここで1802年から1945年までグエン朝12代が続きましたが、1887年から1945年まではフランスの支配下にありました。
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周囲2.5kmの広大な城郭の中に10以上の建造物があります。この王宮はベトナム戦争のとき戦場となり、いまだ修復中の建物もあり、石の壁には弾痕が残っています。
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「夏草やつわものどもが夢の跡」といった風景でしょうか。
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ドンバ市場
ゆっくり見るには2時間はかかるでしょうが、1時間くらいで切り上げて、王宮の近くにあるドンバ市場へ行きました。
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上野のアメ横のようなところです。
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食料品、衣料、雑貨などの雑多な店が2階建ての建物の中にひしめいています。
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ここはスリが多いということをあとで知りました。このあと王宮近くのレストランでランチをいただきました。
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ブンボーフエ、お好み焼き風オムレツ、豚肉、野菜炒め、エビ・ピーマン・玉ねぎの炒めものでした。

カイディン帝廟
食事の後に行ったのはカイディン帝廟です。グエン王朝12代カイディン帝(啓定帝)の廟(霊を祭るところ)になっています。墓所だからか建物は黒くくすんで、何となく不気味です。
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しかし中はフランスの味付けをした装飾が施され、かなり立派です。下の写真はカイディン帝(1885-1925)。カイディン帝はフランスの傀儡と言われ評判は悪かったようですが、フランスの留学時、フランスの文化に触発され、フランス風の装飾を取り入れました。壁はタイルでフランスと中国の文化を混合したようなデザインが施されています。
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カイディン帝の柩。
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トゥドゥック帝廟
カイディン帝廟の近くにトゥドゥック帝廟があります。トゥドゥック帝(嗣徳帝 1829-1883)はグエン王朝では在位36年と一番長く王位にいました。
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初夏であればベトナムの象徴である蓮の花が美しい池があります。
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トゥドゥック帝には109人の正室・側室がいたそうですが、幼少の頃、天然痘にかかって子供はいなかったそうです。
この日、回った4つの史跡はすべて世界遺産となっています。

4時頃にホテルに帰着し、夕食はホテルのコンシェルジェのお勧めでNook Cafe & Barという店で、ブン・ボー・フエ、春巻きを頂きました。
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もう一品注文したら、ウエイトレスがそんなに食べられないからやめた方がいいと、忠告してくれ、2つにしましたが、正解でした。親切な店員です。

昨日と今日、2つのツアーでガイドをしてくれたニャントさんです。2日間で16時間くらい付き合ってくれました。
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下は3泊したインドシナ・パレスのコンシェルジェの女性です。
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大変親切で、ハノイやホーチミンにはない温かいもてなしを受けました。右の若い女性は外国人観光客に人気があるようでTripAdvisorの口コミ欄に宿泊客が撮った写真がいくつも出てきます。

フエは立ち寄った3つの都市では一番のお気に入りでした。ここの人々と接していると、日本人はベトナム人とウマが合うのではないかと思えてきます。また訪れてみたいところです。

by tochimembow | 2017-12-07 18:38 | ベトナム紀行
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片雲の風にさそはれて漂泊の思ひやまず(芭蕉)


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